Coach Interview

コーチ紹介インタビュー

ビジネスマンとして花開くきかっけになったタイでの経験。そして、会社に人生を左右されない生き方を目指して転職

 

 

―― コーチになるまでのことをお伺いしたいのですが、これまでどのようなキャリアを歩まれてきたか教えていただけますか?

 

大学生の頃はマーケティングの仕事をやりたいと思っていましたので、そういった仕事ができる可能性のある会社で働こうと思って就職活動をしていました。自分が大好きな商品を売りたいと、ビール会社を何社か受けたのですが、ことごとくダメでした(笑)。そして、自分の生活に身近な物で、イノベーティブな商品を扱う会社に興味があったので、花王㈱に入社しました。

 

入社後は営業の仕事に就いたのですが、3年くらい経ったころから仕事にモチベーションが上がらなくなってきたんです。もともと私は組織の中で働くことが合うタイプではないと自覚していたので、そろそろ辞めようかなとも思い始めていました。ところが、ちょうどそのタイミングで、会社からタイへの留学の機会をいただいたのです。1年半、ひたすらタイ語の勉強やタイ語でマーケティングを勉強し、そして留学期間が終わった後も、そのままタイに駐在しました。私の主なミッションは、タイ人のセールスマンに花王流の販売方法を教えることだったのですが、そういった販売方法の教育とセールスプロモーションの企画をする仕事をしながら、6年間タイに駐在しました。

 

日本にいた時はずっとくすぶっていたのですが、タイに行ったことによって、自分のビジネスマンとしての花が開いたように思います。20代で責任あるポジションを任せてもらい、部下をマネジメントしたことで、自分の仕事に自信を持つことができ、周りからも評価されるようになりました。

 

その後、『ビオレ』という洗顔料のマーケティングの仕事をさせていただくことになりました。全く経験のない職種で、日本のトップブランドである商品のブランドを背負って仕事をするくことは本当にきつかったですね。そこで初めて挫折も味わいました。

 

この時、このまま花王マンとしてビジネス人生を終えるのか、自分の得意の分野でプロとしてどの会社に行っても食べていけるプロフェッショナル人材になるのか葛藤するようになりました。そして、「会社に自分の人生を左右されたくない」という想いが強くなりました。東京に住みたいと思ったら東京に住めるし、海外に行きたいと思ったら海外に住めるというように、人生のタイミングに合わせてライフスタイルを選べるような生き方がしたい、マーケティングのプロとして成長していきたいと思い、32歳の時に花王を退職し、ボシュロムジャパン㈱というコンタクトレンズの会社のマーケティング職に転職しました。

 

 

―― 10年以上務めた会社からの転職に不安はありませんでしたか?

 

周りからは思い切った行動と思われたかもしれませんが、転職においてしっかり準備をしていたので、自信もあり不安の要素はありませんでしたね。海外留学経験者は外資系企業に転職する人が多いので、そういうこともあって転職に抵抗はありませんでした。

 

 


外資系大手企業からベンチャー企業への転職。自分の人生を生きている感じがしないと感じて「自分が何者か」「何のために生きているのか」「何を世の中で実現したいのか」に向き合う中で見つけた自分のやりたいこと、コーチング。

 

 

―― その後は、どのようにキャリアを進まれたのですか?

 

最初の転職は32歳の時だったのですが、40歳になるタイミングで、「自分はこのままこの道を進んでいくのだろうか」という迷いが生まれてきました。理由は、マーケターとしての成長に限界を感じ始めたことと、ネイティブの人たちとのコミュニケーションに長けたバイリンガルの同僚と比較し、米国人の幹部とのコミュニケーションに限界を感じるようになったからです。

 

その頃、民間人校長という一般のビジネスマンが校長先生になるという制度ができた時期だったんですね。直感で「私も校長になりたい」と思ったのですが、さすがにそれはあまりにも飛躍しすぎた考えだと思いなおし、違う選択肢を考えることにしたんです(笑)。前職はアメリカ系の外資企業だったので文化の違うヨーロッパ系の外資企業にするか、もしくはベンチャー企業に行こうと思いました。その中で、ご縁のあったアニコムホールディングスというペット保険を扱うベンチャーの会社に転職することにしました。

 

 

―― ベンチャー企業に転職されましたが、転職の決め手となったのはどういうところですか?

 

決め手というか判断基準は、創業者の近くで、その人から直接学べる環境かどうかというところでした。ベンチャーの経営者は、自分がこれまで接してきた人たちとは考え方や行動すべてにおいて違うと思ったので、そういった考え方を自分が尊敬できる経営者の人から直接学べる環境で働きたいと思い、2年くらい探しました。ですので、ヘッドハンティング会社などは使わずに、自分でホームページを見つけて直接応募し入社しました。この話はよくキャリアコーチをする上でクライアントさんにお話しています。エージェントを通して転職するのではなく、「この経営者から学びたい」、「この会社で自分は貢献できる」という会社を自分の手で探すということも選択肢の一つとしてご提案しています。採用してもらえるように自分を売り込むことが大事なことですので、その会社が人材を募集しているか、していないかなんて関係ないのです。

 

自分自身のリアルな転職体験はキャリアコーチをする上でとても役に立っているなと思います。

私はこの経験を通じて転職先を3ヶ月や半年とかで見つけようと思わないほうがいいと助言しています。転職も恋愛や結婚と同じで、良いご縁に出会おうと思うと時間はかかるものです。最低でも1年は企業選びに費やす心構えでいるほうが良いですね。

 

 

―― そこから再びキャリアチェンジされたのはどのようなきっかけがあったのですか?

 

ベンチャーで10年務め、会社は東証マザーズ上場、東証1部への市場変更と成長していきました。そのまま経営メンバーとしてここで勤めあげることもできたのですが、私は自分の人生を生きている感じがしなかったんです。

会社に行ってもワクワクしなかったのです。10年間を振り返ってみてもワクワクというよりは使命感にかられて、常に仕事に追われていました。自分が夢中になってやっていたというより、このままだと会社が潰れる、株価が落ちる、そういうプレッシャーの中で生き残りゲームをやっていた感じがします。

 

そこで、「自分は何者なんだろうか?」「本当は何を成し遂げたいのだろうか?」と考えるようになり、その答えを探すために、「アイダモン*」という講座に参加しました。これまでビジネスパーソンとして様々な経験をしてきましたが、本当に自分が究めたいのは何だろうと思うようになったんです。そして、次のステージとなる最後の10年は自分の究めたいものを仕事にしようと決めました。

 

例えば、ボシュロムやアニコムに勤めていた時、お医者さんや獣医さんとお仕事をすることが多かったのですが、彼らはひたすら臨床・研究をしては論文を書き、学会で発表するなど自分の道を究めることに没頭していました。それがうらやましくて、自分にもそういう道がないかと探ってみたのですが見つかりませんでした。極める道は見つからなかったのですが、アイダモンの師匠である生田さんのセッションを受け、「自分が何者か」「何のために生きているのか」「どんな世の中を創りたいのか」が見えてきて、エネルギーが湧いてきたんです。コーチとしてベンチャーの経営者の方々が真の自己に気づき、事業に邁進する支援をすることで日本経済を活性化させたいと思うようになりました。

 

 

―― コーチを目指すことを決めて、どのように学んでいったのですか?

 

アイダモンの創始者の生田さんの下で1年くらいトレーニングをしました。私はマインドフルネスを大事にしているので、MBCC(マインドフルネスベースドコーチングキャンプ)というコーチングスクールで半年トレーニングを受け、国際コーチ連盟の資格を取得しました。他にも、米国Gallupのストレングスファインダー認定コーチ、ビジネスに特化したエグゼクティブコーチのトレーニングを受け、ビジネスコーチ社のパートナーエグゼクティブコーチとして活動しております。

 

私のコーチングメソッドである「マインドフルネス」「強みを活かす」「自分は何者かというアイデンティティを明確にしていく」この三本柱を軸にして、コーチングを提供しています。

 

 

―― 子供の頃のご経験などで今の長田さんに影響を与えていることなどありますか?

 

子供の頃に味わった「挫折経験や悔しかった経験」からの想いがあるのかもしれないですね。

例えば、小学校の時は野球が好きだったのですが、運動神経があまり良くなかったので、なかなか仲間に入れてもらえなかったりしたこともありましたし、中学受験の時は、自分が本当に行きたかった学校には挑戦もしないで、確実に入れる学校にランクを下げて受験して入学した経験がありました。

 

積極的に行動や挑戦をしないで過ごした幼少期だったので、今色んなことに挑戦しているのかもしれないですね。

 


 

―― 現在はコーチングを含めてどのようなお仕事をされていますか?

 

主に研修講師として、リーダー育成の仕事をしています。内容は大きく分けて3つあります。1つ目は、マネージャー研修。2つ目は1on1ミーティングの導入ガイダンス、スキルアップ研修。3つ目は、若手のグローバルリーダーを育成するプログラムのグローバル人材育成プロデューサーです。グローバル人材育成研修では、3週間くらい海外で合宿し、日本人のビジネスパーソン、現地の学生と泊まり込みで現地で新規事業を提案するフィージビリティスタディなどをします。研修を通じて実際に海外で働く魅力、を肌で感じていただくと同時に異文化ミュニケーションスキル、異文化対応力、アウエイ環境下で実力を発揮する力を習得するものです。1年の4分の1くらいは海外にいますね(笑)

 

 


―― これまでのご経験は今のお仕事にどのように活かされていますか?

 

私はキャリア選択において色んな経験をしてきたので、広い視野でクライアントさんに寄り添えると思っています。

 

例えば、キャリアチェンジをしたいという方は大抵AかBのどちらかで迷われている方が多いです。でも、選択肢としてはCもDもあるし、もっと違う案もあるということにクライアントさん自らが気づいてもらえるようなお手伝いをしています。

 

そういったサポートができることは、本当にコーチをしていてよかったと思います。

 

 

―― コーチングをする上で心がけているところ、大事にしていることは何ですか?

 

「コーチングとは、コーチとクライアントの協働行為である」ということを意識しています。コーチがクライアントさんに何かをしてあげるわけではなく、あくまでも答えを出すのはクライアントさんご自身であるということです。私がクライアントさんに何かを与えるわけではありませんが、クライアントさんが内なる想いに気づくために効果的な問いや働きかけをするのはコーチの役目です。そして、クライアントさんが一人では気づけなかったことや本当にやりたい事、望んでいることを引き出し、その実現に向けて自発的に行動して成長していけるようにサポートしていきます。そういった協働行為を大事にしています。

 

 

―― 長田さんがセッションでよく投げかける問いはありますか?

 

全てのリミットを外すような問いをしますね。「もしうまくいく方法が見つかったとして、あなたはどのようになれたらうれしいですか?」という問いをします。まるで動画や映画を見ているような臨場感で表現してもらえるよう働きかけます。

 

「あなたはどんなところにいますか?」「その時周りの人たちはどんな風に働いていますか?」「その時、誰が喜んでくれていますか?」という風に、未来の理想的な姿をありありとビジュアルでイメージできるような問いかけをするよう心掛けています。

 

 

―― 特に印象に残っているセッションはありますか?

 

ありますね。毎回セッションでしっかりノートをとって、セッションが終わってからはコーチからの振り返りメモを見て、何度も内省して次のセッションに臨んでくださるクライアントさんがいらっしゃいます。その方は、最終的にご自身でいろいろと考えた結果、新しいキャリア選択され、そこで一生懸命挑戦されています。

 

この方のように、コーチングを活用しに自分自身の意識・行動を振り返り、自分に問いを立てられる人、コーチとの対話から気づきを得ようとする姿勢のあるクライアントさんは印象に残っていますね。

 

自分がどういう状態からどうなりたいのか、セッションで学んだこと、気づいたこと、やろうと決めたことを次回のセッションまでの間でどうアウトプットするか、それを導き出すことがコーチングで一番大事だと思っています。目的は気づきを得ることではなく、気付きを元に意識変容が起こり行動自体を変えて本当になりたい自分になることです。クライアントさんが意識変容を行動変容に繫げていけるように私も一生懸命サポートしていきたいです。

 


 

コーチングサービスのわかりにくさを明確に表しているところがme:Riseのよさ

 

 

 ―― なぜme:Riseでキャリアコーチをしようと思ったのですか?

 

me:Riseやme:Riseの運営会社である㈱ルバートの個人向けオープン講座には、キャリアに対して真剣に向き合って努力されている方が集まってきます。なぜなら、(株)ルバートでは戦略的プレゼン資料作成講座やセルフマネジメント講座など、キャリアチェンジやキャリアアップに必要なスキルを磨く講座を多数用意されているからです。そういうこともあってか、me:Riseでは本気でキャリアアップに取り組もうとしているクライアントさんと出会うことができるので、me:Riseでキャリアコーチをしようと思いました。

 

 

―― 長田さんから見たme:Riseのよさは何ですか?

 

ちょっと語弊があるかもしれませんが、リーズナブルで明朗会計なところですね(笑)。コーチングって、とてもわかりにくいサービスだと思います。1回いくらが適正価格なのか、どのようなプロセスで進めていくのかが分かりにくいので、利用しづらいサービスだと思っています。me:Riseでは、その点を明確にお伝えできていると思います。そして若手ビジネスパーソンが、自分の小遣いや投資の範囲で長期的にコーチングサービスを利用できる金額で設定されている点です。これは重要なことで、とても大切なポイントだと思っています。

 

また、タイプの違うコーチが沢山在籍しており、その中から自分でコーチを選べたり、マッチングしてもらえるところもよいところだと思います。さらに、コーチングの品質を管理する体質が整っているところも大きなポイントです。コーチングのフィードバックをクライアントさんが直接コーチにするのは難しいと思いますが、me:Riseの場合は、事務局がクライアントさんからコーチの評価をいただき、それをもとにコーチの品質を管理しているので、クライアントさんが一個人のコーチにコーチングを頼むより安心して頼めるのではないかなと思います。

 

 

注釈*アイダモン http://idamon.jp/

 

【Profile】

長田 卓史

花王(株)で東南アジア駐在、マーケティング業務、ボシュロムジャパン(株)でブランドマネージャーを務めた後、金融ベンチャーの経営陣として上場に貢献。その後自らのモチベーションに火を灯し続ける「自燃型」人材育成するために、ファイヤー株式会社を設立。マネジメント研修講師・ビジネスコーチとして活動中。

日系大手企業から外資系へのステップアップ、ベンチャーでの経営経験を踏まえたマネジメントのキャリアへのアドバイスを強みとしている。

 

国際コーチ連盟認定コーチ(ACC)、ストレングスコーチ