Coach Interview

コーチ紹介インタビュー

生き生きと働く女性に憧れ、大手電機メーカーに入社。イメージ通り仕事にやりがいを感じる一方で常に働き方を模索する日々。

 

―― 現在のお仕事の状況をお聞かせください

 

現在は、me:Riseのコーチングサービスの企画運営とキャリアコーチとしての仕事をメインに活動しています。その他、キャリアコンサルタントとして、中途入社の方や新しい仕事をにチャレンジしたい女性の方のキャリアカウンセリングもしています。また、個人向け、学生向けの講座や企業研修なども行っています。

 

―― 複数のお仕事をされていますが、ここに至るまでの経緯、キャリアをおしえてください。

 

新卒でソニーに入社しました。就職活動の時は明確にこの業界に行きたいと定めていたわけではなく、幅広く興味のある会社の資料を集めたり、会社説明会に行ったりした記憶があります。中でも特に印象に残ったのが、ソニーの会社案内のパンフレットでした。女性が沢山のオーディオに囲まれて、楽しそうに仕事をしている写真なのですが、その女性の表情がとても生き生きとしていて、「こんな風に働けたらいいな」と思ったのです。当時はまだ一部の会社では男女別採用が残っていたので、女性の仕事もサポート的な仕事に限られていた印象を持っていたのですが、その写真から「色んな仕事にチャレンジできそう」と感じて応募しました。そしてご縁があり入社することになりました。

 

―― その写真のイメージを持って入社されたと思いますが、実際入社してみてイメージ通りでしたか?

 

イメージ通りでしたね。結局21年間勤務しました(笑)私が最初に配属されたところは、プロジェクターの商品開発する事業部でした。その中で外装設計の部署に配属され、CADで製図したり、出来上がった製品の耐久試験をしたり、そういう仕事を最初はしていました。いかに図面をわかりやすく、誰が見てもわかるものに仕上げるということが腕の見せ所で面白いところでしたね、最初は(笑)。私は学生時代にこどもに絵を教えていたという経歴をお話したことがあったので、恐らくそのイメージからこの仕事にアサインされたのかなと思っています。新しいモノを生み出すということはとても楽しかったですね。

 

その内、徐々に他の仕事にも興味が沸いてきたので、上司に相談し、簡単な設計の仕事も担当させてもらえるようになりました。新規開発要素の少ない外装のマイナーチェンジのモデルや、付属部品や周辺機器の設計から、徐々に設計そのものではなく、モデルリーダーとして商品化全般を任されるようになりました。

裁量範囲が広く、自分のアイディアを元に仕事がどんどん広がっていった感じでしたね。まさに入社前に描いていたパンフレットの女性のイメージどおりに仕事していたと思います。

 

妊娠7ヶ月まで海外工場に出張にいったりもしていました(笑)。

 

 

産休~育休を経て復職した後は、事業企画部に異動し、そこでは事業計画や中期の開発計画のとりまとめや、コストダウンや戦略的部材調達のプロジェクトなどを担当しました。事業部長付のスタッフということで突発的な仕事も含めて色んなことを経験しましたね。そこで5年間経験し、その後、人事部で4年半、主に人材育成や女性活躍支援を中心に経験しました。人事に異動して、今まで見ていた仕事や会社を180度違う視点から見るという面白い経験をしたと感じています。

 

―― 育休からの復職後、ライフスタイルの変化に伴い働き方に葛藤はありましたか?

 

常に働き方を模索して悩んでいました。私の母は専業主婦でしたので、常に母と自分を比べて家事や育児でできていないことに対して罪悪感を持ち、落ち込むことも多かったです。とはいえ、仕事そのものの楽しさも感じていて、相反する2つに気持ちをどう取り扱えばよいかととても悩んでいました。仕事でも、早めに帰宅せざるを得ない時もあり、会社・子供・家庭・学校・など自分の周り360度全てに対して申し訳なさを感じていたように思います。そして「私の働き方はこれでいいのだろうか」という思いは会社を辞める時までずっと抱えていましたね。

 

―― 会社を辞めるきっかけや理由があればおしえてください

 

息子が小学6年になり、子育てが終わってしまうという焦りを感じたことがきっかけです。会社を辞めて子供の小学生最後の夏休みに子供と一緒にいる時間をつくりたいと思いました。そして、働き方を変える良いチャンスにも感じたんですよね。そうしたことから、辞めるタイミングとして、このタイミング以上に良いタイミングはないように感じたことが大きな理由の一つです。

 

もう一つの理由としては、今何かをやり始めたら10年後には違う自分になれているかもしれないと思ったからです。数年間学んでも10年後までにはまだ時間はある、一度立ち止まってゼロベースでやりたい事を考え、チャレンジしてみるのもいいかなと思ったんです。

 

退職理由を細かくあげると20個くらい上がってきりがないですけど(笑)、大きくはその2つですね。

 

 


働く人をサポートしたいという想いでキャリアカウンセリングとコーチングを学ぶ

 

―― 会社を辞めた後のキャリアを教えてください。

 

会社を辞めた翌日に息子の保育園のママ友で、フラワースタイリングの会社経営する方から誘われ、花材の仕入れや勤怠管理を手伝うようになりました。その内、飲食店でのフラワースタイリングなども任されるようになり、3年間ほど経験しました。

 

働き方を模索する中で、派遣社員として外資系の医療機器メーカーで10か月ほど仕事をしてみました。キャリアコンサルタントの資格が取れたタイミングで辞め、ちょうど同じタイミングでコーチ仲間から紹介された組織支援の会社、エール(株)で、「サポーター」という働く人の話を個別に聴く仕事を始めました。徐々に運営にも携わるようになり、最終的にはそこで社員として3年ほど仕事しました。

 

その頃から、個人的にコーチングの仕事もお引き受けするようになり、そのご縁でコーチングサービス(me:Rise)の立ち上げに参画し、研修の仕事にもつながり、今に至っています。完全なフリーランスになったのは、2018年2月からですので丸2年半くらいですね。気が付いたら仕事を詰め込みすぎてしまいがちで、相変わらず働き方については試行錯誤していますが、私は仕事が好きなんだなとつくづく実感しています。

 

―― コーチングを学ぶきっかけは何だったのですか?

 

退職して、今後何をしたいかを考えた時に、まず浮かんできたいのが「働く人をサポートしたい」という想いでした。

人事の仕事を通じて知った、仕事で悩んいる人が案外多いという事実。「1日の大半を占める仕事の時間を悩ましい時間にしているのはもったいない!」と思ったんですよね。そして、私自身も悩んだ経験から、誰でも利害関係なく気軽にキャリアに関して相談できる場所をつくり、働くことをより楽しいことに、そしてその人らしさを活かせることに繋ぐお手伝いができればと思い、キャリアコンサルタントの資格取得の勉強を始めました。

コーチングについては、実は人事の仕事の中でコーチングに触れる機会もあったのですが、その時はそれほど興味がなく、どちらかというと私自身は「成果最大化という目標の為に、がんがんお尻を叩かれてやらされるもの」といった割とネガティブな印象を持っていました。

 

そんな時に知人に紹介された方が「コーチ」を仕事にしている方でした。たまたまランチの席で同席した方でしたが、「子供からアスリートまで、その人らしく生きることを応援している」という話を伺う中で、まさに私がやりたいことはこれだ!と思い、後日改めて時間を作っていただき、体験コーチングも受けさせていただきました。

その時が初めてコーチングを受けた経験です。

 

セッションを通じて、私のやりたいことは、キャリアを通じてその人らしく生きることをサポートすることだと確信が得られたので、その方が通っていたコーチングスクールにすぐに申し込みました。

半年間、スクールに通いながら、体験セッションを受けていただくなど実戦経験を積む中で、クライアントさんも増え、プロとして仕事するようになりました。

 

―― ここからはコーチングのセッションについてお聞きしたいのですが、コーチングをされるときに心掛けていることは?

 

自分が等身大でいることを大事にしています。人と人の対等な関係を大事にしたいので、コーチという役割しっかり認識しつつも、過度に立場を意識して飾るようなことはしないようにしています。少し前、私の知り合いから、「コーチがハイヒールを履いて話している感じがして、違和感があった」という話を聴いたのですが、まさに避けたいのはそういう状況です。コーチとして以前に人としてという在り方を大事にしたいと思っています。

 

 

―― 印象に残っているセッションやクライアントの変化はありますか?

 

皆さん毎回印象深いですが、ご自身の中で答えや方向性が見つかった時の行動力や想いへの強さにはいつも驚かされます。

 

自分のやりたいことがはっきりしていない不安や迷いを抱えていたり、やりたいことがあったりしても、「どうせ無理だろう」とどこかで制限をかけていた人が、じっくり自分の想いや考えに向き合い自分の本当に得たいものに気付く瞬間があるんです。

 

自分自身の根っこにある想いに気が付くと行動したい気持ちが自然に出てくるんですね。どんどん行動に移して、実現に向けて進んでいく様子に驚いています。

 

―― よく投げかける問いはありますか?

 

よくお聞きする質問は、「このままいったらどうなる?」という質問です。

例えば、半年後、1年後、5年後…と時間が進んでいったときのことを想像してもらいます。

想像した未来についてどう感じるか?を確認する中で、望む方向性が見つけたり、現在を違った視点で捉えたりして

「どうしたいか?」が自然と見えてくる方が多いように感じています

 


仕事で悩みを抱えている人にコーチングサービスを知ってもらい、「一人で考え込まなくても大丈夫」ということを伝えたい

 

 

―― me:Riseの起ち上げに加わろうと思った理由は何ですか?

 

多くのビジネスパーソンの方に利用してもらえるコーチングサービスがあったらいいなとずっと思っていました。私は子育てと仕事を両立するようになってから、どうバランスをとっていけばいいか一人で悩んでいたんです。そのことで一度人事に相談したこともありましたが、上司に筒抜けだった経験があり、誰かに相談するというのはリスクが高いなと思ったことがありました。

 

モヤモヤしながらずっと働き続けていたのですが、当時誰か相談できる相手がいたらもっと自分らしく別の形で働き続けられたかもしれない、色んな選択肢があったのではないか、同じように働き続けるにしても、もっと充実させられたのではと思いました。ですので、同じように悩みを抱えている人に、コーチングというサービスを知ってもらい、「一人で考え込まなくても大丈夫」ということを伝えたいと思ったことが大きいです。

 

コーチングという見えないサービスをわかりやすくお伝えし、金額面も含めてハードルを下げて提供していきたいと思っています。

 

 

―― 小泉さんの思うme:Riseの強み良さはどんなところだと思いますか?

 

me:Riseは、ユーザーさんととても丁寧に関わっているサービスだと思います。例えば、無料カウンセリングです。ご利用を検討されているユーザーさんに『コーチングに期待するものは何か』ということを事前にお聞きし、それがコーチングで提供できるものなのかということもしっかり確認したうえでご利用いただくようなステップが用意されています。また、相談内容からどのコーチを選択するのが好ましいかというアドバイスもしています。

 

そして、サービスを利用した後にもカウンセリングを実施し、実際利用してみどうたったかや、満足した点やそうでなかった点、継続するために相談したい事など、あらゆる場面でカウンセリングを行っています。このようにコーチングとは別にサポートする体制が整っているというところは大きな特徴だと思います。

 

他にはサポーターシステムですね。サポーターシステムでは、他の業界や職種の人と話をすることができます。自分のこれからのキャリアを検討する材料として、興味のある業界や業種、経験のあるサポーターに話を聞くという機会を提供し、視野を広げたり新しいヒントを得るサポートをしています。このようなところがme:Riseの大きな特徴で良いところだと思っています。

 



【Profile】

小泉 暁子

ソニー(株)に21年間勤務。商品開発や事業企画に携わった後、人事部で人材育成、女性活躍支援などに従事。その後、組織開発系ベンチャー企業において契約企業の社員の外部メンターとして活動。 現在はキャリアコーチ、キャリアコンサルタントとして活動。企業研修や個人向けワークショップなども行っている。 ビジネスマンのサポート経験が豊富。また、子育てと仕事の両立経験からのアドバイスができることも強み。 

  

国家資格キャリアコンサルタント、Points of You®認定トレーナー(国際資格)、チームフロープロコーチ養成スクール卒業